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――観光客でにぎわうハワイ。そのハワイも昔は王国でした。
滅びゆく王国を救おうとした、カイウラニ王女の物語。


白い孔雀―ハワイ王朝最後の希望の星プリンセス・カイウラニ物語

※2002年発売で、早くも販売終了になっているようです。図書館や古本屋で探してみて下さい

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 作:よしだ みどり
(文芸社/1575円/273ページ)

   利用価値★★
  おどろき度★★★★
読むおもしろさ★★★★★

観光地として有名なハワイも、昔は王を抱く王国でした。
歌にもなっている、「カメハメハ大王」は有名ですね。
あの王様は、ハワイの王様でした。

しかし長きに続いた王朝も、1898年に歴史を閉じます。
みなさんもよくご存知の通り、アメリカの一部となったのです。

当時、ハワイの人々はアメリカの白人たちに野蛮人と見下されていました。
肌の色が濃い、文明が遅れていると笑われていたのです。

さて。そもそも、なぜアメリカは小さなハワイをほしがったのか?
それは、日本における沖縄がそうであるように、
ハワイも戦略上重要な拠点にあったからです。
もしハワイが王国として独立を保っていたら――、
その後の真珠湾攻撃も、沖縄地上戦の悲劇もなかったかもしれません。

地元の人々、アメリカ本土から来た白人たち、日系人。
そして、ハワイ王朝の王族たち――。
ひとびとの思惑がからみあい、南国の楽園は混乱の中にありました。

本書の主役は、ハワイの王女カイウラニ。
これは、ハワイの独立を守ろうとした王女の物語です。
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タイトルの「白い孔雀」とは、王女の家の庭にいた白い孔雀に由来してます。
このひろい庭には、ほかにも多くの孔雀や馬、亀がいました。
ちょっとした動物園ですね。

カイウラニとは、「高貴で神聖な人」を意味します。
まさに、王族にふさわしい名前です。
豊かな自然と動物たちにかこまれ、
家庭教師たちからは女王にふさわしい教育を受けて王女は育ちました。

やがて、大きな運命の転機が訪れます。
母親のリケリケは死の間際、娘にこう言い残しました。

『あなたは遠い所に行き……長い間……帰ってこない。
 あなたは……結婚しない。
 あなたは……あなたは、女王になれない』(P86より引用)

予言めいた最後の言葉が的中したのか、カイウラニにロンドン留学の話が持ち上がります。

――たった1年のこと……。
不安を覚えたものの、カイウラニは旅立ちを決意します。
これが長い旅になろうとは、その時だれも知りませんでした。
1年のはずの留学はなぜか延長され、
ついには8年も異国の地で過ごすこととなりました。

異国の地で勉学にはげむ一方で、カイウラニはファッションセンスにも磨きをかけました。
話し方、立ち振る舞い、舞踏……先進国の上流階級の教養を積極的に身につけました。

「ハワイ人は野蛮である」
アメリカはわざと、あやまった情報を国民に流していました。
ハワイの独立を主張するためには、まず偏見を正すことが重要でした。

この8年の間に、ハワイの状況は大きく変わっていました。
王権は縮小され、ついにはハワイ併合が実現のものになろうとしていました。
これはアメリカ大統領が決めたことではなく、一部の者たちの陰謀でした。

カイウラニは、マスコミを通じてハワイ独立の正当性を訴えました。
いまだ帰国は認められず、遠い異国の地からできる精いっぱいの行動でした。

ハワイ人に対して偏見を抱いていた記者たちは、
洗練された王女の話し方やファッションに圧倒されました。
王女はマスコミの華となり、行く先々には多くの人がつめかけました。
アメリカでの運動も功を奏し、国民たちは彼女を応援しました。
ついに念願かなって、カイウラニはアメリカ大統領と直接話す機会を得ます。

食事会のあと、クリーヴランド大統領はカイウラニに言いました。
「(今回のことが)正当であったかどうか調べるつもりである」

大統領は約束通り事実関係を調べ、ハワイ側の主張を認めました。
ハワイは独立を守り抜いたのです。

……しかし歴史が示す通り、この後ハワイはアメリカに併合されます。
そして失意の中ハワイに戻ったカイウラニは、突然の病で他界します。
まだ23歳の若さでした。

ハワイ併合の決め手はなんだったのか?
そこには、わたしたちの「日本」が大きく関わっていました。

さて、ここまでで本の4/5のあらすじをご紹介しました。
残された謎は、ぜひあなたの目で確かめてみて下さい。
歴史に翻弄された王女の最期が、胸を打ちます。

《裏ばなし〜アロハオエを知っていますか?》
アロハオエという歌を知っていますか?
カイウラニのおばである、ハワイ最後の女王が作った歌です
南国ムードがただようのんびりとしたメロディーですが、
じっくり聴いてみるとどこか寂しげです。
実はこの歌、失われた祖国への思いを歌ったものと言われています。
ハワイの物語を紐とくときに、ぜひ聞いてみてください。
「P&E'sWorld小貫音楽教室」の名曲スケッチの中でMIDIのメロディが聞けます

『白い孔雀』はカイウラニが主人公の物語のせいか、
この女王のことがあまりよく描かれていません。
女王の視点からもっとよく眺めてみたいという方には、
ハワイ王朝最後の女王」がおすすめです。


お江戸ガールズライフ icon

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 作:江藤 千文
(ブロンズ新社 /1575円/144ページ)

   利用価値★★★
  おどろき度★★★★
読むおもしろさ★★★★

――とおい江戸時代。少女たちは「おちゃっぴい」と呼ばれていました。
女の身分が低かった時代、彼女たちはどんな青春をおくったのでしょう?

管理人が住んでいる町は、かつてにぎやかな宿場町でした。
大名が通って当たり前、時にはお姫様の和宮や近藤勇といった有名人も
通りすぎていきました。

――もし江戸時代にこの町に生きていたら、毎日が楽しかっただろうな。
今はさびれた商店街を通るたびに思います。

そんなわけで、地元が栄えていた江戸時代にちょっぴり興味がありました。
その江戸に生きていた少女たちの生活を紹介するのが、この本です。
元気で活発で、「おちゃっぴい」と呼ばれた少女たちです。

おちゃっぴいとは江戸言葉で、
『おしゃまで口が立つ、大人顔負けの元気な娘のこと(P2より)』
だそうです。なんだか現代にもあたりまえでいそうな女の子ですね。

学校で、江戸時代はどんな時代だと習いましたか?
わたしは歴史が苦手だったのでよくおぼえてませんが、
昔は身分が厳しくて、女性は今のように自由ではなくて……
と堅苦しいイメージがあります。

でも一方で、浮世絵や時代劇を見ると、思い思いに生活を楽しんでいた。
そんな印象も受けます。遠山の金さんに出てくる町人たちは、
とても生き生きとしています。どれが本当の姿なのでしょう?
さっそく、おちゃぴいたちの生活をのぞいてみましょう。

少女たちの楽しみであるおしゃれ、でも当時は規制がありました。
お上の命で、はでな着物、目立つ格好は禁止されていたのです。

しかし、職人たちは限られた中で工夫をこらしました。

「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」という言葉があります。
48色の茶色、100色におよぶねずみ色の意味です。

ひとつの色にこれだけの幅をもたせたのです。すごいですね〜。
着物の新色が発売されると、みんな夢中で飛びついたことでしょう。

それから、珍しい洗顔料が流行っていました。
もしかしたらドラッグストアで見たことがあるかもしれませんね。
その名も「ウグイスのふん」です。
……え、フン?
単なる商品名ではありません、本物のウグイスのふんを商品化したものです。
現在も販売されており、かれこれ300年の歴史を持つスーパーコスメです。

本の中で、著者が実際使っています。

手持ちの洗顔料にうぐいすのふんをティースプーン1/3混ぜます。
これで洗うと、お肌しっとり、心なしか肌が白くなっている(気がする)のだそうです。
においもさほど気にならないとのこと。

生活の楽しみとしては、貸本屋がありました。
当時は本がとても高かったので、買うより貸すのが主流でした。
お客が自分から出向くのではなく、貸本屋が家々を訪問するスタイルです。
これなら、あまり家から出られないお嬢さまでも本が読めますね。

少女たちに人気があったのは、「人情本」や「泣本(なきほん)と
呼ばれる恋愛小説でした。(江戸版ハーレクイン?)
ちゃんと挿絵もあって、漢字にはルビがふってあったそうです。

他にも、おちゃっぴいたちをとりまく生活がいっぱい紹介されています。
おけいこに精を出したり、恋文を書いたり……。
江戸の人々の寿命は短く早婚だったので、少女時代はあっという間でした。
彼女たちが駆け抜けた青春時代をのぞいてみませんか?


《おまけ〜古地図》
このごろ古地図がブームのようです。たまに本屋でもみかけます。
ついにyahooにも専用ページができました。

「yahoo スクロール古地図」

これは、おもしろいです!
江戸・明治・現代の各地図、航空写真を比較してみることができます。
東京全域は見られませんが、JR山手線エリアはほぼカバーされていました。
検索ボックスがついており、皇居や浅草などキーワード検索ができます。
ぜひ一度ごらんあれ。

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